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papabubbleのキャンディ
食べた日 / 2007.1.18










クールでポップなバルセロナ生まれの金太郎飴
さとうるる





オタクの殿堂、中野ブロードウェイを抜け、かつては薬師銀座と名乗っていた、昔ながらの商店街を歩いていくと、突如現れるおしゃれな一角。 それが「papabubble パパブブレ」。バルセロナ、アムステルダムに続いてなぜか東京・中野に出現した、世界でたった3ヶ所しかないキャンディ・ショップです。

グレー&ラベンダー色の店内を入るとすぐ目を奪われるのが、手際よく作られている飴作りの実演コーナー。 さまざまなキレイな色の液体が入ったガラス瓶がずらりと並んだ光景は、おしゃれな理科室といった感じ。 あつあつの水飴を鉄板の上で素早くこねたりのばしたりするさまは、手打ち中華麺の実演を思わせますが、この間、ほんの数分。 透明だった飴は、空気を含んで白銀に輝く雪のように、そして、深い赤だった飴はキラキラしたピンクに変わっていく。 手品なんてレベルじゃなく、ほんとうに、魔法を見ているよう。

店内の残り半分には、さまざまな色やかたちの「金太郎飴」たち! 壁一面にディスプレイされているたくさんの袋、試験管型、キュートなロリポップ、つめかえ可能なジャータイプ… そのちいさな一粒一粒が、キウイだったり、さくらんぼだったり、バナナだったり。I love youなんて文字入りのものも! サプライズでこんなキャンディをプレゼントされたら、グッときちゃいそう。 眺めているだけで、うっとりしてしまう。

おひとつどうぞと、お店の方に差し出されたちいさなオレンジ・キャンディは、とにかくとてもいい香り。 まるでしぼりたてのオレンジジュースを口にしたような、その味に感動していると、それはサクサクとさわやかな食感へと変わり、次第にほろほろと儚く消えてゆき…
さらに私が感動したのは、ハーブのキャンディたち。 ストライプの微妙な色合いがまたたまらないのですが、それ以上に、そのフレッシュな香りとお味! ハーブキャンディといえば、のど飴のイメージしかなかった私にとっては、既成概念を根底から覆された!といっても大げさではないくらい。 たとえばラベンダーはラベンダー、アニスはアニスの、ほんとうにそのもので、でもひとつも嫌味がない、やさしい自然な味わいなのです。 とくに私のハートをわしづかみにされたのが、ローズ。 口に入れた瞬間、ふわっとやわらかいばらの香りがたちこめて。 淡い色のばらの花をそっと口にふくんだら、こんな感じなのかな。

「しあわせな味」って、こういうことをいうのかもしれない。



食べている自分までかわいく思えるキュートさ
いわさゆみ


はじめてこのキャンディと出会ったのは、横浜の友人の家。 久しぶりに遊びに行ったら、テーブルの端のほうに置いてあった。目ざとく見つけた私は、これなあに?? すると友人はウシシシシといいながら、やっぱりゆみちゃん好きそうと思った〜。ディーン&デルーカでみつけたんだぞって自慢してくれました。私より先に素敵な食べものをみつけたことがうれしかったみたい。くやしくなった私は次の東京行きでは、まっさきにディーン&デルーカヘ。キウイのキャンディをスタッフのお土産に買い占めました。買っている自分までかわいく感じてしまう…ほんとうにキュートなキャンディ。その見た目とラベルデザインから、すっかり輸入品かと思っていたら中野産なのね! この技術を日本へ持ち帰ったオーナーのセンスに感銘。

今回はフルーツだけではなく、キラキラとしたシルバー色が美しいストライプのハーブ味も届いた。ローズ、ラベンダー、アニス。アニスは黒とシルバーと白のストライプだからちょっとドキッとする色合い。だけど、どれも香りは強すぎず、ハーブのよさがほどよい味わい。小袋につめかえて、また、みんなに配ってみた。手に取った人は口をそろえて「カワイイ〜」という。自慢気に「でしょ〜」っというのが私のしあわせかな。

着色料が使われてはいるけれど、そんなことを上回るが手作業のすばらしさ。ときどき食べるものだもの、心からたのしまなくちゃ。ていねいにつくられたものは、大好き。

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